Anne of Green Gables「赤毛のアン」Penguin Readers

“Anne of Green Gables”のリトールド版。Penguin Readers Level2 です。

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情報感想あらすじ

“Anne of Green Gables”書籍情報

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“Anne of Green Gables”感想

カナダの女性作家、L.M.モンゴメリの有名な Anne of Green Gables のリトールド版。リトールド版は Oxford Bookworms Stage 2 Anne of Green Gables: Stage 2 700 Headwords (Oxford Bookworms Library)  もありますが、Penguin Readers の方が面白いと思います。理由は、Oxford Bookworms のリトールドに以下のような点があるからです。(ネタバレ注意)

  1. 冒頭、ミセス・リンドがマシューを見かけて、何事かとマリラのところに行って、「女の子を養子にして放火された事件がある」と忠告し、マリラが「男の子だから心配ない」というシーンがない。
  2. マリラは、アンを孤児院に戻そうとするが、冷酷なミセス・ブリュエットがアンを引き取って、こき使おうとするのを見て、土壇場で気を変えるシーンがカットされている。
  3. ギルバートの頭を叩くのが石版でなく本になっている。
  4. ケーキに入れようとしたのがヴァニラでなくミルクになっている。
  5. 帽子に花を飾り付けて笑われるシーンがない。
  6. ブローチがなくなるシーンがない。
  7. 屋根に上ろうとして落ちるシーンがない。
  8. ダイアナにワインを飲ませてしまうシーンがない。
  9. ミニー・メイを介抱するシーンがない。
  10. 船に乗る理由が「エレインになる」ため、ではなく「囚人が脱走する」ふりをするため。

上のような変更は、字数や予備知識なしに理解しやすいことを考慮した結果でしょう。読者の想定年齢が違うのかもしれません。
一方、Penguin Readers には、Oxford Bookworms にある、次のようなシーンがカットされています。

  1. ミセス・リンドに謝る際、ひざまずいて、大げさな謝罪を言う表現。
  2. アンをクイーン校に送り出すとき、ドレスを着たアンを見て、ふだん感情をあまり出さないマリラが思わず涙ぐむシーン。
  3. マシューが銀行の破産の手紙を見て倒れるシーン。
  4. マリラがギルバートの父との関係について、さりげなく話すシーン。

うーん。こうして書き上げてみると、けっこう重要なところがカットされています。全体的に後半が駆け足になっていますね。最初を詳しく書きすぎて、字数が足らなくなったのでしょうか。

挿絵

挿絵は、Oxford bookworms の方が上手です。Penguin Readers は、プロの絵?というほどぎごちないですね。ところが、カラーという利点があります。緑の髪のシーンがあるので、カラーはいいですね。

Oxford Bookworms の挿絵のほうが幼く描かれています。Penguin Readers のほうは、後半はもう完全な大人の女性になっていますね。

味わいどころ

原作を読んだ方なら、あのシーンもこのシーンもカットされていると思うでしょう。魅力的なマシンガントークもほんの少しですしね。色々なものに勝手に名前をつけて空想にふける、というシーンもなかなかリトールドに入れるのは難しいと思います。

それでも、この語彙数でよく表現できているなと思うできばえですので、一度どんな話か英語で読んでみたい方にはおすすめです。

“Anne of Green Gables”あらすじ

あごひげをたくわえた寡黙な男、マシュー・ガスバートは、村はずれにあるグリーン・ゲーブルに妹のマリラと暮らしている。60歳になったマシューは、農作業の手伝いのために男の子の養子をもらう手配をしており、駅に馬車で迎えに行く。しかし、そこにいたのは11歳の少女アン・シャーリーだった。

置き去りにするわけにもいかず馬車に乗せて帰る途中、話が苦手なマシューは押し黙っているが、アンは一方的に話を始める。見慣れた風景を夢のように語るアンの話を聞いているうち、女の子が大の苦手だったはずのマシューの心に、アンを手放したくない気持が芽生える。しかし、連れて帰ったアンを見たマリラは「男の子はどこ?」と尋ね、アンは自分が必要とされていないと知って泣き崩れる。

マシューの気配から、アンにほだされていることを察したマリラは、次の日みずからアンを馬車に乗せて養子縁組を頼んだスペンサー夫人を訪ねる。

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