The Escape and Other Stories「逃避、ほか3編」(Macmillan Readers)

「月と六ペンス」で有名なサマセット・モームの短編集。

情報感想あらすじ

「The Escape and Other Stories」書籍情報

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「The Escape and Other Stories」感想

サマセット・モームの作品は安定していて外れが少ないです。なんとも言えない読後感が持ち味の短編ばかりです。語彙数1,100 ですが、これより少ない Oxford Bookworms の本にも、もっと難しい作品があるように感じます。薄い本の中に4作品も入っています。ひとつの作品が非常に短く、すぐに読み切ることができますので、多読を始めたばかりの方にもオススメできます。

ミステリー小説のように一行読み落とすと、ストーリーがわからなくなるという心配はないので、その点は安心して読んでいけると思います。4作ともまったく「子供向け」ではなく、大人として味わえる小説です。派手な事件が次々に起きるわけではありませんが、読んでいる間、ずっと先が「どうなるのだろう?」と、引っ張られながら最後まで読んでしまう、という感じになるでしょう。

おかしなところ

  • 39ページの下から12行目、Edward Barnard, father は、Edward Barnard’s father の誤植かもしれません。
  • 45ページの3行目、said Bateman. の後に空白なしに come が来ています。’Why don’t you かなにかが、脱落しているように思います。

「The Escape and Other Stories」あらすじ

The Escape

独身貴族の Roger Charing は、二人の夫を亡くした Ruth に惹かれて結婚を決意する。彼の婚約の一部始終を友人の視点から描く作品。

Louise

Louiseは心臓が弱く、両親は結婚させずに育てようとするが、結婚し、娘 Iris を生む。しかし夫と死別し、その後再婚する。この Louise の結婚生活を「25年の友人」の視点から描く作品。

The Ant and the Grasshopper

イソップ物語「アリとキリギリス」の教訓を信じない 「私」 が友人 George から、兄弟 Tom の話を聞く。

The Fall of Edward Barnard

Bateman と Edward は長年の友人だったが、Isabel を同時に好きになる。Isabelが選んだのは Edward だった。Isabel と Edward は婚約するが、Edwardの父が破産し、Edwardはタヒチで2年間働くことになる。Isabelは婚約を解消せず、Edward の帰りを待ち続けるのだが、月一度来る手紙が少しずつ変化していく。Bateman は愛する Isabel のために、タヒチまで Edward の消息を確かめに行くが…。

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