“Little House on the Prairie” 「大草原の小さな家」 これは、英語学習者用のリトールドではなく原書ですが、初級者でも読破しやすい一冊です。
“Little House on the Prairie”書籍情報
- タイトル Little House on the Prairie
- 著者 Laura Ingalls Wilder
- 総語数 約7万語
“Little House on the Prairie”感想
テレビドラマ「大草原の小さな家」の原作です。子供時代のローラの視点から描かれる物語なので、複雑なレトリックもなく、非常に読みやすい一冊です。テレビのパイロット版大草原の小さな家 旅立ち [DVD]に相当する部分です。
難点は、なじみの薄い単語がよく出てくることですが、多くは動植物の固有名なので、辞書をひいて日本語を調べてもあまり意味がありません。文脈から推測して読んでいけばいいでしょう。
読んでいて一番気になったのは、やはり母親のインディアン(ネイティヴアメリカン)に対する偏見の強さで、”The only good Indian was a dead Indian.” が出てきてから、はっきり読み進む意欲が減退しました。クラシックの場合、どうしてもその時代の偏見が出てくるのは避けられないのですが、これほどあからさまに書かれると、ひいてしまいます。それまでの美しい自然の描写も、元々は彼らの土地だったんだと思うと複雑な気になります。
厳しい自然と格闘しながら、家・厩舎・暖炉・寝台・井戸・籐のロッキングチェア、すべてを手作業で生み出す様子は圧巻です。都会人にはまねのできないバイタリティですね。
冒頭、慣れ親しんだ森の家を去る場面が非常に切ないです。
So they all went away from the little log house. The shutters were over the windows, so the little house could not see them go. It stayed there inside the log fence, behind the two big oak trees that in the summertime had made green roofs for Mary and Laura to play under. And that was the last of the little house.
こうして、みんなで小さなログハウスを出て行くことになりました。窓のよろい戸がしまっていたので、小さなおうちはみんなを見送ることはできませんでした。おうちは丸木の柵のなかにじっと立っていました。柵の手前に、メアリーとローラが夏に、こかげで遊んだ大きなカシの木が二本ありました。これが、小さなおうちを見たさいごでした。
家を擬人化することによる愛着感、窓➡家➡フェンス➡前の庭木と、だんだん遠ざかっていく家が見事に表現されています。
単語メモ
出てくる単語のうち、難しそうなのをメモしてみました。参考にしてください。
molasses 糖蜜
billow 大波
dickcissel ムナグロノジコ(鳥)
pannikin カップ
gopher ホリネズミ
haunch 臀部
papoose インディアンの赤ちゃん
sadiron アイロンの一種
sprigged calico 小柄模様のドレス
phoebe ツキヒメハトリ(鳥)
mockingbird マネシツグミ
fawn 子鹿
providential 幸運な
hew なたで切る
bullfrog ウシガエル
puncheon floor 根太のある床
colt 子馬
mule ラバ
frisk じゃれまわる
bunk 寝台
thrush ツグミ
minnow ヒメハヤ(魚)
sapling 若木
rafter 垂木
trough 雨樋
puncheon 間柱
Just the same, それでもなお
and hang the expense 費用をかける価値がある
cross that bridge when we come to it その時になってから考えましょう
sod はぎとった草のかたまり
windlass 巻き上げ機
ravines 峡谷
jay カケス
dipper ひしゃく
since Hector was a pup 長い間
sumac ウルシ
hop-scotch ケンケンパ
venison 鹿肉
stockade 防御用柵
“Little House on the Prairie”あらすじ
インガルス一家は父母と、三人の娘、メアリー・ローラ・キャリーの5人家族。ウィスコンシンの森の中に住んでいたが、その家を売り、新天地を求める。暖かくなると河が渡れなくため、寒い冬に引っ越すことになる。
すべての家財道具を幌馬車に詰め込んだ一家は、大変な思いをして旅を続け、ついに居住に適した場所を見つけて、家を建て始める。オオカミ・疫病・ピューマなどに苦しめながら、やっと生活が軌道に乗るかと思われたのだが・・・。