CATEGORY 深読みシャーロック・ホームズ

「日曜学校の催し」に「さえ」?

“A Case of Identity” 「花婿の正体」の中で、ミス・サザーランドはホームズに義父が外出をさせたがらない、どこに行くのも反対すると訴えます。義父は、女は家庭にいろというのが口癖だが…

日本の「ホームズ」…… 跳弾に死す

シャーロック・ホームズは、人を馬鹿にしたり、尊大すぎる態度をとるという、欠点もありますが、他を威圧するキャラクターであることは一貫しています。 「唇のねじれた男」で、ワトソンは「言葉はていねいでも、支配的に言われる」と、…

「バスカヴィル家の犬」読みどころ……筆を大きく使う

「バスカヴィル家の犬」はホームズシリーズの数少ない長編で、短編にはない読みどころがあります。短編ではとにかく話をトントンと進めていかねばならず、文章構成を凝ったりしにくいことが多いのですが、「バスカヴィル家の犬」には、短…

日本の「ホームズ」……ていねいすぎる

英語の “Sherlock Holmes” と日本語の「シャーロック・ホームズ」を読み比べて感じるのは、日本のホームズは「ていねいすぎる」ということです。まあ、一人称を「僕」や「ぼく」にした時点で…

ホームズとワトソンの関係

ホームズとワトソンの関係、というのは簡単と言えば簡単、複雑と言えば複雑で、やはり二人の関係に注意をしておかないと、ストーリーの理解が深まらないことがあると感じます。 バスカヴィル家の犬の冒頭、ホームズはワトソンに依頼人が…

「はたから見」るのはだれ?

A Scandal in Bohemia 「ボヘミアの醜聞」は、シャーロック・ホームズ短編の第一作で、シャーロック・ホームズ・シリーズの記念碑的な作品です。 コナン・ドイルも腕によりをかけて書き始めたのではないかと思うの…

シャーロック・ホームズに退屈な話?

オレンジの種5つ

コナン・ドイルは稀代のストーリー・テラーで、読者をぐいぐい引き込んでいくストーリーの展開は実に鮮やかです。 ところが、息詰まるような緊迫した事件説明の最中なのに、いきなり依頼者が「退屈な話ですが、辛抱してください」などと…