TOEIC新形式問題への対応(5) 図入りリスニングパート

図入りリスニングパート

図の数

公式問題集を見る限り、パート3では3個、パート4では2個の図が出る。(もちろん、本番でこれと同じ数になる保証はない。)つまり、図が関係するのはパート3では、39問中9問 で23%、パート4では30問中6問で20%ということになるが、図に直接関係する質問は1問だけのようなので、Part3,4 の69問中5問と考えれば全体で約7% になる。つまり、Part3,4 の93%は今まで通りだ。

図の種類

クーポン、一覧表、簡単な地図、注文フォーム、グラフなど、単純なものが多い。図とはいうものの、文字のウェイトが高く、絵はオマケ程度だ。

Look at the graphic.

図に関する設問には先頭に、Look at the graphic. という言葉がつくようだ。おそらくここがポイントとなるだろう。図だけを漫然とみていたら、先読みの効率は下がる。それだったら、図を無視して設問だけを読む方がトクだ。これまでの先読みリズムを大切にしたい人は、図は無視するべきだ。あらかじめ図を見ていないと答えられない設問はないから、図を無視するのは、過激な方法ではない。図を見る場合でも、Look at the graphic. の設問を読んでから見る方がいい。図の中には設問とは関係ない情報が含まれているので、先に図を見ると時間をロスする可能性がある。

図は設問の上

図と設問の位置関係だが、図は3つの設問の先頭に出てくるようだ。したがって、先読みしようとした瞬間、図が目に入る。図は目をひくので見入ってしまう危険性があるが、邪魔されずにその下の設問を読む。Look at the graphic. で始まる設問を読んだところで、見ようと思えば図を見る。無理に見なくても、設問だけで図の何をたずねられるかわかる。

文の方が価値が高い

つまり、図も設問もすべて先読みできるなら読めばいいが、両方を読む時間がない場合、設問を読む方が、時間を無駄にする確率が下がると思う。読み上げ前でも読み上げ後でも、設問は読んで理解する必要がある。これは、図の有無には関係ない。読まなければならないものを読むことで時間を損するわけがない。設問を読み、問われる内容を事前にキャッチしてリスニングに集中し、解答する段階になってから図を見ても、すでに何を探すかがわかっているので、効率よく情報検索できる。公式問題集にも、リスニング前に図を見ていなかったら、聞き取りに失敗する危険性がある問題はみつからない。話した内容を聞き取れていれば、解答時に図を見て答えられる。不思議な話ではないだろう。Part3,4 はリスニングのテストなんだから。

図は答える段階で見てもいい

以上のことから、「先読み時点では図を見ない。設問を先に読み、時間があまれば目を通す」という方法がよさそうだ。絶対に正しい方法とは限らないが、これまでのTOEICと同じ先読みパターンがそのまま使えるので、多くの人には有効だと思う。図が出てきても、リズムを崩さず、設問に集中する。これは、図のない設問の解き方と同じやり方だから、本番中にあれこれ作戦を変えるよりもいいと思う

でも、図を読む時間がいるだろう?

解答時にこれまでなら、選択肢を読むだけでよかったのに、新形式になったら図まで読まなければならない!ただでさえ時間に追われているリスニング中に、ますます負担が増えるじゃないか!と心配する人もいるだろうが、公式問題集を見ると、図を見て答える問題の選択肢は主に「単語」だ。一方、図がない場合の選択肢は「文」が多い。ちゃんと配慮してある証拠だ。重ねて言えば、不必要に心配しなくてもいい。

具体例

例えば、このような設問があったとする。


unigara

図を見て下さい。女性は代金からいくら引いてもらえますか。

  • A. 100円
  • B. 500円
  • C. 800円
  • D. 1000円

設問部分「女性は代金からいくら引いてもらえるか」だけ読めば、図を見なくとも「割引額をたずねている」ことがわかる。図を見る時間がなく、リスニングが始まったとしても、女性がジーンズを買ったということを聞き取れれば、解答時にクーポンを見て800円引きが答えだとわかる。先にクーポンを見て、有効期限・開店時刻の変更・店名などを読むとその時間が完全に無駄になってしまう。その時間を別の設問を読むことに使った方が、全体の時間効率が上がるのではないだろうか。

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